20130205

Another Earth (2011)




観てみました、2011年公開の「アナザー・プラネット」。
低予算SF映画ですが、2011年のサンダンス映画祭で審査員特別賞受賞作品。
(サンダンス映画祭の主宰は、「グレート・ギャッツビー」に出てたロバート・レッドフォード氏)





とにかく、パッケージもそうなんだけど、うっとりするような青。
自然的な地球じゃなくて、文明が存在する地球としての美しさが映し出されていると思う。
映像も青みがかっていて、ちょっと冷たい感じもする。
けど、それが合ってる。
シンプルにまとまっているポスターの無機質感も近未来めいていて素敵です。

全体的にどことなく「メランコリア」に似ているんだけど、
(新しい惑星・ハンディキャム・日常の記録手法的な意味で)
それよりももっと爽やかな後味となってる。




本当、この画にはうっとりする。
最近観た映画中の映像美ベスト3に入るシーンかも。

話それるけど、
地球はいずれ太陽による爆発でなくなるという記事を幼稚園の頃読んで、
それで怖くなって学校で泣いたという私がなんでSFもの好きになれたんだろう。不思議。
オカルト好きだからかな。UFOとかネッシーとかバミューダ・トライアングルとかアトランティスとか。


で。
この「もう一つの地球」はタイトルにもなってるように、この映画のキーワードと言える。
希望とか、不安とか、他者(地球を自分と考えたときの)とかを意味するから。



同時に、ローダ自身の心理を示していると思う。
実際、出所して世間と関わらないと決めた時は地球2号もひっそりとしているし、
最後に自分自身を見つけることができた時は存在がとても強調されている。




宇宙へ行こうキャンペーンに応募した彼女は、自分を見つけるために応募したに違いない。事故という過ちを犯してしまった自分と向き合うために。自分が何を思ってるのかとかそういう事を話したいと思っているのかも。

それで事故の被害者と思っても見なかった形で関わって、元気を与えることで罪滅ぼししていると思ってた。だけど実際は自分自身が助かっただけ、立ち直れただけだと気づいた。彼に自分が加害者だと明かせるくらいだもん。だから、ジョンに宇宙へのチケットを譲った。彼のほうが、彼自身と向き合う力や勇気が必要だと分かったから。





あと象徴的なのは、ローダの容貌。最後にもう一人の自分と対面するわけだけど、彼女の髪の毛。
この映画の中で髪の毛を下しているのは最初の事故前とジョンと恋に落ちた時。つまり、後悔とか絶望から解放された、本来の彼女を表している。目を引く金髪なのも、彼女が持つ美しさとか強さを体現していると思う。服装にも表れている女性らしさもね。
だから、最後もう一人のローダが出てくるのは、一つには自分が立ち直っていること、立ち直れるという暗示。そして二つ目には、ジョンが自分と向き合うことができたことも仄めかしているんだと思う。向こうの自分がしあわせな生活をしていた、とか。そういったハッピーエンドな結末だと、私は思った。

ちょっと思ったのは、恋愛シーン必要かなぁ…?
ローダはやっぱり若者だな、という印象しか受けないし、純愛性が崩れてしまう気がする。
その後裏切られてしまうというインパクトを持ってきたかったのかもしれないけど、
それよりはプラトニックな方がよかったのではないかなーともやもや。





いやーしかし綺麗だったな。地球2号が映ってるシーン。
お話の内容としては読める展開ではあるけど、
地球2号の存在とかそれに対する人々の反応とかが興味深かったな。
とても身近なシチュエーションに感じた。
星四つは映像に対する評価が高いからかも。


★★★★☆
Dir. and cinematography by Mike Cahill (マイク・ケイヒル)
Screenplay by Mike Cahill and Brit Marling
Music by Fall On Your Sword
2013.01.31

0 コメント:

コメントを投稿

 

Blog Template by BloggerCandy.com