★★★★☆
Dir. and screenplay by Pedro Almodóvar (ペドロ・アルモドバル)
Based on a novel by Thierry Jonquet (Tarantula)
Music by Alberto Iglesias
Cinematography by José Luis Alcaine
彼女の部屋は同じ階にあるのに、とても生活感があって温かい。ドライバーとは違って、「家庭」がある部屋。それも、壁の絵も壁紙も花柄で、とても女性らしい。彼女そしてベニーシオと一緒に過ごしていると、その温かみがわかってくる。「家族」という安定した基盤の居心地の良さ。始めの方だと昼間の太陽が出てるシーンが多い。爽やかで暖かな雰囲気。ドライバーからもいつもの無表情ではなく、笑みがちらりと見えてくる。ここらへんのシーンの挿入歌に、"keep me under your spell"(「あなたの魔法にかかっていたい」)という歌詞があるけど、二人ともこのひと時の幸福がずっと続いてほしかったと思っていたはず。
しかしそんな彼は"real human being"(最後の挿入歌参照)になることができた。無関心で冷淡な人間ではなく、愛や憎しみを覚えた「本物の人間」として。強盗のお手伝いさんも、スタントも、都会も捨てたことで「ドライバー」という縛り、匿名性から抜け出せたこと。それはある意味、それは今回の出来事からの収穫なのかもしれない。エンディングは暗いものではあるけれども。
「ブルー・バレンタイン」のような、あそこまで後味悪い感じではないけれど、悲しみや孤独が残ったエンディングだったなーと思う。というか、友人のところに書いてあったFifty Shades of Greyへの出演、まじですか。この人は万能型を目指してるのかな。私、ライアン・ゴズリングの顔見るたびに2.5枚目だな~という印象しか受けないんだよね。なんとなく、ちょっとピエロっぽい。おどけた感じw(失礼にも程がある笑)